初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「俺が変わったのは、遥奈と出逢ったからだよ。見かけよりも中身を見てくれた遥奈の言葉のおかげで、大事なことに気づけたからこそ、今の俺がある。遥奈と同じ夢を実現したいと思ったからこそ、医大に進んで医師にもなれたし、日本エリア統括支配人にもなれた。もちろん、見かけにも中身にも、磨きをかけたつもりだよ。イメージ通りの『爽やかな王子様』ではないと思うけど。どうかな? 遥奈に見合う大人の男になれたかな?」
背後から顔を覗き込みながら零に問われて、身体を反転させた遥奈は零の胸にぎゅっと抱きついた。
「私には、勿体ないぐらい、素敵な大人の男性になってますよ。素敵すぎて……眩しいくらい」
そうでもしないと、泣きじゃくってしまいそうだったのだ。
何とか伝えたものの、言い終える前に涙が邪魔をして声まで震え出す。
気づいた零が胸から引き剥すと、気遣わしげに顔を覗き込んでくる。
零れた涙を拭う指がとてつもなく優しくて、遥奈はうっとりしてしまう。
「遥奈? 嬉しいけど、どうして泣いてるの? 前にも言ったと思うけど、俺、遥奈の笑顔が翳るようなことはしたくなかったんだけどな」