初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
零の肩書きや立場を思うと、結婚を前提とした交際相手に自分なんかを選ぶ方が不自然に思えてくる。
「うん。遥奈と同じ医者になる夢は叶えたけど、それで終わりじゃない。夢には続きがあるんだ。それを叶えるためには、遥奈の力が必要なんだ。他の誰でもない、遥奈じゃなきゃダメなんだよ。想いが通じなくてもいいから、せめて遥奈と一緒に夢を実現させたい――そう思って、会いに行ったんだ。まだ、詳しくは言えないんだけど、日本の医師免許を持っている遥奈に力を貸してほしいんだ。と言っても、今の仕事も辞める必要もないし、負担もかけないと約束する。だから遥奈、俺の夢を一緒に叶えてくれないかな?」
零の話に耳を傾けているうち、零を疑ってしまった自分を完膚なきまでに打ちのめしたくなった。
――こんなにも自分のことを想ってくれていたなんて、どうしよう。
感極まってしまって、言葉にならない。
想いが涙と一緒に溢れ出す。
――この人が好き、大好き。ううん、そんな言葉じゃもう足りない。
――もうこの人なしじゃいられないぐらい。身も心も夢中になっている。
「……は、い……よ、ろ……こん……で……」
零の胸にしがみついて、泣きじゃくりながらそう答えるのが精一杯だった。
今まで運命なんて一度も信じたことなかったのに。
この人との出逢いが運命でありますように――ずっとずっと傍にいられますように。この時、遥奈はそんなことを真剣に希っていた。