初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 いきなりの登場だが、いつものことなので特に驚きはない。

 つい先日も、イケメン俳優が電撃結婚したと言って、騒いでいたところだ。

 ――今度は何事?

 遥奈たちを含めて、休憩室にいた他の職員も興味津々で見守っている。

 少し離れた席でサンドイッチを頬張っていた倉科も手を止めて、期待感で目をキラキラさせている。

「なんですか? 『ビッグニュース』って」

「あの美しすぎる支配人、零さまに関する新情報よ!」

(……え!? 零さんに関することなの?)

 ところが零の名前が飛び出し、遥奈はドキリとする。

 当の倉科は、気まずげに視線を泳がし遥奈を一瞥したが、遥奈はそれどころじゃない。

「あっ、あー、零さま……ですか」

「倉科ちゃんらしくもない。あんなに騒いでたのに、どうしちゃったのよ? もしかして、体調でも悪いの?」

「あっ、いえ、最近診察にも来ないし、記事とか見てると、やっぱり住む世界が違うんだなって……」

「え~、せっかく新情報仕入れてきたのに、ガッカリ~」

「で、新情報ってなんですか?」

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