初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「こんなイケメン二人に迫られるなんて、前世でどんな徳積んだんだって思わない? あ~ん、私も一度でいいから迫られてみたいわ~」
「あっ、もしかしてチャンス到来なんじゃない?」
「だって、傷心中の零さまが診察したら、ワンチャンあるかもしれないでしょ!」
ところが倉科から予期せぬ言葉が飛び出し、その場の空気が一変する。
「ダメですよ! 零さまには、笑顔の素敵な癒しの彼女がいるんですから! でないと、馬に蹴られちゃいますよ。ねえ? 遥奈先生」
一瞬、休憩室内に静寂が訪れた。その後、大きなどよめきが巻き起こる。
「「「ええ!? もしかしてその彼女って、遥奈先生ってこと!?」」」
おかげで、心ここにあらずだった遥奈の意識は瞬時に現実へと引き戻された。
「……? え、えっと、ごめんなさい。聞いてなくて、どういう状況なのかさっぱり……」
素直に告げると、倉科が経緯をわかりやすく説明してくれた。
「実は私、学会があったあの日、院長の忘れ物を届けにホテルのラウンジに行ったんですよね。そしたら、院長に遥菜先生との関係を聞かれた零さまが、『泣かせたりしません。大切にしますよ。神に誓ってもいいです』なんて、宣言してるじゃないですか! もう、それが、ドラマなんて比じゃないぐらい素敵で。以来、私にとって、お二人は推しカプです!」