初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


(や、ヤダ。()()を見られてたなんて!? もう、零さんのバカッ! どうしてくれるんですか!)

 たちまちボンッと爆発するのでは、と懸念するほど真っ赤になった遥奈はテーブルに突っ伏するしかない。

「ええ!? マジすか! そんなの端から太刀打ちできるわけないじゃないっすか」

「当たり前でしょ。顔洗って出直しても無理ね」

「京香先生、ひどっ」

「とはいえ、許嫁のこともあって、私、遥奈先生のことが心配だったんですけど。許嫁疑惑も晴れたし、万々歳ですね。私、これからも応援してますから」

 耳許で倉科にそんなことを言われても、何かを返す余裕もない。

「何が奪略婚よ、ガセじゃない!」

「そういえば、零さまから直々のご指名でしたもんね。なるほど、はじめから遥奈先生狙いだったってことか。遥奈先生なら納得です」

「それにしても、『神に誓ってもいいです』なんて。遥奈先生、愛されてますね。羨ましい~」

「零さまの心を射止めるなんて、さっすが癒しの遥奈先生です~」

「遥奈、皆、祝福モードでよかったわね」

 京香の言うように、周囲の反応は意外にも好意的なようだったが……

「……やだ、恥ずかしいぃ」

 遥奈の羞恥は、休憩時間が終わってからも薄れることはなかった。

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