初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 経営者陣に、医療免許を有したスペシャリストがいるというのは、何よりの強みとなるに違いない。

『ホテル業界も医療業界も、ホスピタリティ精神に通ずるものがあるし、学んだ知識は無駄にはならないからね。もともと、祖父が一代で築いてきたのもあって。『やれるものならやってみろ。だが、やるからには確実にモノにして、実力でのし上がってこい。それができたら認めてやる』最後には、そう言って許してくれたんだよ』

 零は事も無げにそんなことを言っていたが、簡単ではなかったはずだ。

 けれど、そんな側面などおくびにも出さずにさらっと実現しちゃうのだから、凄いとしか言いようがない。

 さすがは世界最大ホテルチェーンの御曹司である。

 そんな大きなプロジェクトに、自分なんかが関わってもいいのだろうか……

 正直不安もあるが、零に必要とされるのは嬉しい。

 同じ医師としても認めてくれている零の力になれるのなら、精一杯努めたい。

 零の夢を一緒に実現させるために――

 気持ちも新たに沢渡へと意識を向けると、夢の現実への第一歩として、あるミッションが課せられた。
 
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