初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 仕事も順調だし、専門医試験の勉強もはかどっている。

 零との交際も順調だが、都合がつかずなかなか会えずにいた。

 零は相変わらず多忙な日々を過ごしているからだ。

 祖父のいるイギリス本部との調整をはじめ日本各地にあるホテルの統括を担っている零は、国内外関わらず出張も多く、休日返上で業務に当たっているようだった。

 帰国してからもう随分経つのに、都内のホテルを仮の住まいにしているほどだ。

 それでも、毎日の電話やメッセージでのやり取りは続いていたし、遥奈のことをいつも気にかけてくれていた。

 電話の際、声に元気がなかったりすると、すぐに気づいて励ましてもくれた。

『なんだか、元気がないようだけど、大丈夫? 無理してない?』

「取材が近いので、緊張しちゃって」

『取材のことなら心配ないよ。俺も立ち会うから』

「え? そんなのダメです。零さんこそ、無理しないでください」

『無理なんかしてないよ。ちょうどスケジュールも空いてるし、遥奈に会いたいだけだから。俺の楽しみを奪わないでよ』

 取材にも、わざわざ時間を割いて同席してくれるという。

 仕事が順調なのは、恋人である零の支えがあるからこそだ。
 
 そんな日々を経て、件の取材を数日後に控えた週末、遥奈は零との久々の逢瀬を堪能していた。

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