初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
生涯のパートナーとして
零とは、土日の二日間を一緒に過ごす予定になっている。
一日目の今日は、魔法使いが活躍するファンタジー映画の世界観や映画撮影の雰囲気を楽しめるという屋内型の施設を訪れていた。
「わぁ! 凄い! まるで映画の世界に迷い込んだみたいですね~」
「うん、そうだね。セットもそうだけど、衣装や小道具どれをとっても、細部にまで拘って造られているのがよくわかるよ。原作小説へのリスペクトが窺えるね」
いつだったか、零との電話で子どもの頃に流行っていた洋画の話題になったことがあった。
その際に、魔法使いが活躍するファンタジー映画に嵌まっていたと話した覚えがある。
それを覚えていた零が予約を取ってくれていたのだ。
まるで異世界に迷い込んだ錯覚に陥りそうな、壮大なセットの中、遥奈は零と手を繋ぎ合ってゆっくりと脚を進めていた。
はじめは、繋いだ手にばかり意識が集中していたのだが、いつしか童心に返り、夢中になって楽しんでいた。
日常とかけ離れた空間にいるせいか、いつもより開放的になっているのかもしれない。