初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
『なら、友人として、会ってくれませんか? 気が向いたらで構いません。それでも駄目ですか?』
乞うように懇願されて、遥奈の胸がチクリと痛んだ。
おそらく、EDで悩む患者を前に医師としての良心の呵責がそうさせたに違いない。
『ゆ……友人としてなら』
とにもかくにも、遥奈は確かにそう答えた。
あの後、嬉々として華やかな美貌を綻ばせた零に見蕩れている間に、連絡先を交換したように思う。
しかし、一度も連絡はなかった。
なので、靡かなかった遥奈に興味が失せたか、はたまた夢だったのかもしれない。なんて考えたりもした。
それがまさか、再び患者として職場に現れようとは――
いや、これこそ節度ある大人の振るまいだといえる。あの夜はお酒の勢いもあったのだろう。
――だったら、〝医者である友人として〟向き合おうではないか。
これまでもそうだったように、プライベートで何があろうとも職場では笑顔を欠かさない自信だってある。
――この笑顔で絶対に乗り切ってみせるんだから!