初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
友人と初めての
午後の診療は二時スタート。
遥奈は仕事モードに切り替えるため、PC用のクラシカルなシルバーフレームの眼鏡を装着して診察に臨んでいた。
これまで、女医と言うだけで、見下されたり高圧的な態度をとられたり、童顔のせいもあって頼りなく見られることもあった。
過去の経験から始めた儀式だったが、違う自分になれた気がして、不思議と心が落ち着くのだ。
基本は予約制になっているので、再診の予約患者から順番に対応していく。
淡いベージュで統一された診察室には、丸いフォルムが印象的なドクターデスクと二脚のメディカルチェアが設置されている。
遥奈は壁に向かって設置されたデスク側の椅子に腰掛け、少し離れた椅子に横並びに座った患者から、症状の経過や近況などを丁寧に聞き取っていく。時折、患者の緊張を解すために雑談を交えつつ、間合いをうかがいながら手元のキーボードで電子カルテに入力していく。
「――血圧もそんなに高くはないですね。お顔の血色もよさそうですが、体調のほうはいかがですか?」