初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 遥奈は、零との初めてのデートに心を躍らせながら、移動中の車内で、零とのお喋りに花を咲かせていた。

「写真撮るとき、なぜかいつも固まる遥奈が可愛くて、思わずハグしそうになったけど。ドリンクの泡を鼻にまで付けてた遥奈も、子どもみたいで可愛かったなぁ。あれ、絶対狙ってたよね」

「もう、零さんってば、そんなこと思ってたんですか? あれは狙わなくても付くようになってるんです。零さんも付けてたじゃないですか。私が拭うまで気づきませんでしたよね」

「あれは、周囲への牽制だよ」

「……え?」

(それって、どういう意味?)

 遥奈がキョトンとしていると、零から思いがけない言葉が飛び出した。

「あっ、いや、遥奈は気にする必要ない、そのままでいてくれたらいいんだ。それより、あれ、白状すると、遥奈が俺よりも、セットにばかり夢中になってたから、遥奈に構ってもらいたかったんだよ」

 すべての謎が解けたわけではないが、零の本音があまりに可愛くて、キュンとなる。

 だが、ときめいている場合じゃない。セットにばかりに夢中になっていたわけじゃないのだから。

 ——零の誤解を解かないと。
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