初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


「……それは……だって、零さんとこんなふうにデートするの初めてだったし。私にとって人生初のデートを零さんとしてるんだって思ったら……嬉しくて、はしゃいでただけで……」

 というわけで、遥奈も本音を吐露したところ、零に顎を捉えられる。

 そうして、耳許に顔を寄せた零に甘い声音で、どういうわけかキスを強請られた。

「遥奈、ごめん。我慢しようと思ってたんだけど、キスしていい?」

 今のやり取りのどこに、そういう雰囲気になる要素があったのだろうか……?

 さっぱりわからない。でも、嫌じゃない。

 零に求めてもらえるのだから、嬉しいに決まっている。

 急展開に戸惑っているだけだ。

「え? 急にどうして」

「遥奈が可愛すぎて、もう我慢できないんだ。それ以上は我慢するから。それでもダメ?」

 ゆえに、捨てられたワンコが縋るような表情の零に乞われれば、遥奈は一溜まりもない。

「ダメなわけないじゃ——んっ、んん、ふぅ」

 素直に答えた遥奈は、言い切る前に零によって性急に唇を奪われてしまうのだった。

 キスにより緩んだ唇のあわいから、零の熱い舌が捩じ込まれ、咥内を撫でまわす。

 舌を根元から搦め捕られて、強く吸い立てられる。

 すべてを貪るような激しいキスに、遥奈の身も心も蕩けてゆく。

 遥奈は零の胸に縋るようにしがみついているのがやっとだ。

 走行する車内には、二人の荒い息遣いと、濡れた音が絶えず響いていた。

 それは、目的地であり、遥奈と零が初めて出逢った思い出の場所でもある——『インペリアル東京』に到着するまで続いた。

 
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