初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


***


「遥奈、大丈夫? 落ち着いた?」

 優しく気遣ってくれた零の言葉で、遥奈はようやく我を取り戻した。

 だが、キスで骨抜きにされて身体はふにゃふにゃだし、頭もぽーっとする。

 零の問いかけにも、コクンと頷くのが精いっぱいだ。

「……今日は、紳士らしく振る舞うつもりだったんだけど、我慢できずに……ごめん」

 そのせいか、やけに神妙な表情で零が謝罪を口にする。

 どこか緊張している様子を見せる零に微かな違和感を覚えつつ、遥奈は頭を左右に振って笑顔を返した。

「お詫びに、俺が運んであげるね」

 すると零は当然とばかりに、遥奈を姫抱きにする。

「え? ヤダッ! 降ろしてくださいっ!」

 慌てた遥奈が手足をばたつかせていくら訴えても、零は聞き入れてくれない。

「俺、護身術も習ってたし、普段からジムで鍛えてるんだ。落としたりしないから、安心して。だから、ほら、暴れない。でないとまたキスしちゃうよ?」
「……ッ!?」

 それどころか、キスで脅されてしまい、黙るほかなかった。

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