初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


「この前処方いただいたお薬が合っていたようで、動悸も過呼吸のほうも落ち着いています。内科で処方された降圧剤も忘れず服用していますし」

「それは何よりです。これから気温が上がって寝付きが悪くなるといけないので、もう少し様子を見てみましょうか」

「はい。持病もありますので、そうしていただけると安心です」

「それでは処方箋のほう用意しておきますので、待合室でお待ちくださいね」

 数年前に更年期を迎えてから自律神経が乱れ様々な症状に悩んでいた五十代の女性。既往症との兼ね合いもあって経過観察中だが、経過は順調のようだ。

 快方に向かうに連れて患者の表情も明るくなってくる。遥奈自身も肩の荷が下りたようで、何だか救われた心地がする。

 ホッとした遥奈は、ほわりと柔和な微笑みを浮かべて診察室を後にする女性を見送った。

 五分診療と揶揄される、規模の大きな市中病院や大学病院と違って、こころクリニックでは、キメ細やかな診療を心がけている。

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