初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
エグゼクティブラウンジの大きな窓から、柔らかな陽光が差し込んでいる。
食事を楽しむリビングスペースとゆった寛げるセミプライベートスペース、少人数の打ち合わせなどに適したミーティングスペースの三つのゾーンが設けられていた。
さすがは世界最大ホテルチェーンのインペリアル・インターナショナル。世界の名だたる賓客が訪れるだけあり、各所に仕切りが施されプライバシーにも配慮されているようだ。気品溢れるラグジュアリーな空間には、日常からかけ離れた静かな時間が流れている。
そんな中、セミプライベートルームの応接セットのソファに座るよう促された遥奈は、緊張で指先が冷たくなっていた。
正面では、広報部の女性ライターがノートパソコンを開いて取材内容を確認している。
その背後には、カメラマンの男性が照明など機材の調整をしているようだ。
ホテルスタッフの若い女性もレフ板を手にスタンバイしてくれている。
慣れない場の雰囲気に呑まれて、膝上で組んだ手が心なしか震えている気がする。
何とか抑えようにも自分の意思ではどうにもならない。どうにかしなきゃ——そう思えば思うほど震えが大きくなる。