初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
「やっぱり遥奈ちゃんには、落ち着いたAラインがピッタリね? よく似合ってるわぁ」
褒められても、イマイチ実感がない。
紫帆がデザインしてくれたドレスの素晴らしさに、見蕩れるばかりだ。
「そ、そうですか? ドレスがあまりに素敵で、自分じゃないみたいで、なんだか落ち着かないです」
「もう、遥奈ちゃんってば、自分のことまるでわかってないのね? 零がヤキモキするはずだわ」
「……え?」
(どうしてここで、零さんが出てくるの?)
遥奈はわけもわからず首を傾げるしかない。
「大丈夫よ。とっても似合っていて綺麗だから。零が見たら、『誰の目にも触れさせないように、閉じ込めておきたい』って駄々っ子みたいになると思うから」
駄々っ子になった零を想像し、遥奈の頬がぽっと朱に染まる。
紫帆は満足そうに微笑み、自身の手がけたドレスへと視線を移した。
「純白のドレスのハートカットの胸元を彩るフリルケープは、ボリュームのあるオーガンジーを使ってるから華やかだし。織り交ぜた、リクエストの淡いスカイブルーとロイヤルブルーがいい差し色になったわね」