初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 零のリクエストなのだが、遥奈も同意してのことだ。

「そうですね。純白のウエディングドレスに淡いスカイブルーと濃いロイヤルブルーのグラデーシュンがよく映えて、素敵ですよね」

 うっとりしながら返した遥奈の言葉に、紫帆がふむと首を捻った。

「そういえば、零も襟元とポケットチーフに同じ色を組み合わせたけど、何か意味があるのかしら? ティアラにもブルーダイヤと青い薔薇のモチーフをあしらったし、リースブーケにも、ブルーベルと青い薔薇を使っているわよね」

 遥奈はブルーアワーに浮かび上がる幻想的な光景を思い返しながら、感謝の言葉を紡いだ。

「はい、あります。私たちにとって特別な色なので、感慨深いです。思い入れのある色を使ったドレスを着られて、とっても嬉しいです。こんなに素敵なドレスを作ってくださり、ありがとうございます」

「こちらこそ、二人の門出に立ち会えて、光栄だわ」

 明るく朗らかな紫帆のおかげで、緊張が嘘のように消えていた。

「じゃあ、そろそろ」

「はい」

 スタッフを従えた紫帆に促され脚を一歩踏み出した瞬間、頭に零の顔が浮かんだ。

(零さん、このドレス見たらどんな顔するんだろ? 早く会いたいな)

 ふとそんなことを思っただけで、胸の奥がジンと熱を帯びる。

 今日、皇は新しく生まれ変わる。

 その瞬間に立ち会える喜びを胸に、遥奈は控え室を後にした。

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