初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
廊下に出ると、ヨーロピアンクラッシックで統一された、新しくなった皇の内装が広がっていた。
アイボリーとグレージュの塗り壁に真鍮のゴールドをあしらった内装。それらをブラケットライトが優しく照らし、柔らかな陰影をなしている。
――なんだかお城に迷い込んだ心地がする。
半年前、皇はインペリアル・インターナショナルとパートナーシップ契約を締結して以降、ウエルネスとブライダルを掛け合わせた新規事業を立ち上げリブランディングを進めてきた。
その一環として、内装も一新したのだ。
この日のために、家族やスタッフが力を合わせて積み重ねてきたものが確かに息づいている。
春の光を受けて淡く輝くさまを見ていると、胸の奥にじんわりと熱を帯びた。
緊張感は拭いきれない。けど、それよりも嬉しさが勝っている。
チャペルに続く廊下には皇のスタッフが控えていた。
遥奈が歩みを進めるたびに、静かに会釈して迎えてくれている。
——一人じゃない。皆が見守ってくれている。
そんな想いに後押しされた遥奈は背筋を伸ばした。