初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 バージンロードを挟んだ左右の参列席から、両家の親族と友人とが見守ってくれている。

 その中をゆっくり進み、やがて零の元へと辿り着く。

 祭壇に佇む零は、プラチナシルバーのフロックコートに身を包んでいる。

 高貴なロイヤルブルーの襟元とポケットチーフがいいアクセントになっている。

 デザインは見ていても、実際に着用したのを目にするのは初めてだ。

 正面の大きな窓とステンドグラスから降り注ぐ光のシャワーを浴びて、煌々しい輝きを放っている。

 ——異世界から現れた王子様のよう。

 遥奈は零を前に、息をするのも忘れて魅了されたように視線を引きつけられていた。

 辺りから音が消え去り、緩やかな時を刻みはじめる。

 そんななか、遥奈を目にした零がハッと息を呑む。

 けれどすぐに我を取り戻したように、遥奈にそうっと左手を差し出してくる。同じく、役目を終えた父の手がゆっくりと離れてゆく。

 寂しさを覚えたその刹那、零のあたたかな手に包み込まれていた。

 束の間、見つめ合い、微笑み合う。

 それだけで、心が、胸が、ほわりとあたたかくなる。

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