初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 密かに胸を震わせていると、左肘を軽く曲げた零が囁いてくる。

「遥奈、とっても綺麗だよ。天使かと思って焦るぐらい」

 零の腕に掴まり、笑みを零した遥奈の頬は桜色に色づいていた。

 緊張感も程よく解けたところで、零が静かに息をつく気配が伝わってくる。

 数秒後、誓いの言葉を紡ぐ零の凜とした声音が響きはじめる。

「私、神楽木零は、遥奈さんだけを生涯の妻とし、支えとなり、笑顔が翳ることがないよう努め、一生愛し続けることを誓います」

「私、遥奈は、零さんだけを生涯夫とし、癒やしとなり、支えとなれるよう努め、一生愛し続けることを誓います」

「「これからも、私たち夫婦をあたたかく見守っていただきますよう、お願いいたします。令和○年四月吉日、新郎神楽木零、新婦遥奈」」

 零と共に名前を紡ぎ終え、誓いの言葉から指輪交換へと移ろいだ。

 指輪を手にした零が震える手でそうっと嵌めてくれた指輪が上品な輝きを湛えている。

 婚約指輪と対になっている結婚指輪は、シルバーリングで小粒のダイヤモンドとブルーダイヤモンドが鏤められている。

 あたかもブルーアワーの空に瞬く星々のよう。

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