初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
既往症はないが、寝不足が祟って、ここ数日昼間の強い眠気と倦怠感が続いているというので、依存性の極めて少ない睡眠導入剤を処方して様子を見ることにした。
「――それでは、寝付きを良くするタイプの睡眠導入剤を処方いたしますので、しばらく様子を見ていただいてもよろしいですか?」
「……あの、昼間の眠気や依存性など、そういった心配はないのでしょうか?」
「そうですね。体質などにより、希に眠気が残ったりすることもあるかもしれません。その場合は服用せずに、すぐにご相談ください。入眠を促す薬剤ではありますが、離脱症状、身体的依存は極めて少ないものですので、ご安心くださいね」
これにて、診察も無事完了。
「では、処方箋を受付に回しておきますので、待合室でお待ちくださいね」
いつものようにニッコリと柔和な微笑を湛えて零を見送り……
――さて、残りの仕事もこの調子で頑張るぞ!
次の診察に向けて、眼鏡をクイッとあげて気持ちを切り替えようとしていた遥奈だったが、そうは問屋が卸さなかった。