初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
密着した身体から、零の忙しない鼓動のリズムが伝わってくる。
喜びを体現するかのような、骨が軋むほどの抱擁に、遥奈の胸が熱くなる。
——ただ呼び捨てにしただけで、こんなにも喜んでくれるなんて……
(やだ、どうしよう……。幸せすぎて、胸が苦しい……)
やがて身を起こした零が額をくっつけたまま囁いてくる。
「幸せすぎて——このまま昇天するんじゃないかって、心配になるほど、幸せで……怖いんだけど」
その声は微かに震えていて、遥奈の胸の奥底にまで響いた。
——愛する人が同じ気持ちでいてくれる。それがどんなに心強く、幸福なことか……
「私も、幸せすぎて、怖いぐらい。でも、零と一緒だから怖くない。だって——零への愛おしさで胸がいっぱいだから」
それを知っててほしい。そんな想いで告げると——
「遥奈、そんなお姫様みたいな格好で、そんな可愛すぎること言うなんて、反則だよ。これ以上煽られたら、俺、どうなるかわからない。それでもいいの?」
一瞬動きを止めた零が瞳を揺らしつつ、余裕のない上擦った声音で迫ってきた。
——そんなのいいに決まっている。
零になら何をされたって構わない。
もう零なしでは生きていけない——そう思えるほど、愛しているのだから。