初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 そこまで思い至ると、胸がいっぱいでどうしようもなくなった。

 遥奈の頬を、あたたかな涙が流れてゆく。

「遥奈、大丈夫? もしかして、どこか痛いの? 大丈夫?」

「ど……どうしよう。幸せすぎて……止まらない……みたい……っ」

「大丈夫だよ。俺が全部拭い去ってあげるから。だから気持ちが落ち着くまで、安心して、俺の胸で泣いてよ。ね? 遥奈」

 行為を中断されてもなお、遥奈を優先させる零の愛情の深さに、心を最大限に揺さぶられた遥奈の涙はタガが外れたように溢れ続ける。

 嬉し涙が収まるまでの間、遥奈は夫——零の腕の中で、至福のひとときを堪能していた。

 その後は、美しい獣へと復活を遂げた夫の熱に翻弄されて、朝方近くまで愛し合った。

 二人仲良く達した身体を絡め合い、幸せな心地で眠りに誘われていった。

 そんな二人の薬指に嵌まった結婚指輪が朝陽を反射して、キラキラと煌めいている。

 あたかも二人が共に歩んでいく未来を煌々と照らしているかのように——

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