初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 怪しい光を放つ綺麗なヘーゼルアイに身も心も囚われ身動ぎさえも叶わない。

 あたかも零に恋い焦がれていた思春期の頃に舞い戻ったかのような錯覚を起こしそうになる。

 しかも、容姿はハリウッドスターも真っ青なほど、美しい造形をしている。

 色素の薄い肌は、白磁のように艶めいているし。シャープな輪郭内には、澄んだ瞳と高い鼻梁、形のいい唇が黄金比率で配置されている。

 右の目元の泣きぼくろが何とも色っぽい。

 身長も一八〇センチは優に超えているだろう。スーツ越しでもわかる逞しい体躯からは、大人の色香が匂い立つようだ。

 言語化するなら、英国紳士を彷彿とさせる、最上級のイケメン。

 そんな男に熱のこもった眼差しで見据えられ、胸の鼓動は尋常じゃない速さでざわめいている。

(ヤダ。顔に熱が集中して、眼鏡が曇っちゃうでしょう……!)

 胸の内でそう訴えたところで、どうすることもできない。

 そんな遥奈の眼前で、ふっと優美な微笑を漏らした零の唇が弧を描いた。

 些細な仕草でさえも、容貌が整いすぎているせいか、芸術品のようにとてつもなく美しい。
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