初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
――一体いくら払えば泊まれるだろうか。
呑気にそんなことを思考していた遥奈は、今更ながらに気がついた。
「あれ? どうして隣に零さんがいるの?」
なんと、豪奢な部屋に据えられたキングサイズのベッドに零と共に横になっているのである。
ゆっくり布団を捲ると、どうやらお互い生まれたままの素っ裸のようで、零の剥き出しの肩が露わになった。
(え、ちょ、待って! 何で裸!?)
遥奈は慌てて視線を逸らすと必死になって記憶を辿る。混乱しつつも何とかバーでの一件を思い出した。
そういえば、身体が怠い気がするし、頭もぽーっとするような……
枕元には濡れタオルがあるし、サイドチェストには二日酔いの薬や飲みかけのミネラルウォーターのボトルなど、介抱してくれたらしい痕跡が見て取れる。
おそらく、零が、酔い潰れた遥奈を部屋に運び介抱してくれたに違いない。
――だったら、どうしてこんなことに?
記憶がないし信じられないが、酔った勢いで、零と一線を越えてしまったのだろうか。
もしかして、零は最初からそのつもりで……
『友人として』と言っていたのも、『セフレ』という意味だったのかもしれない。
――なんだ、そういうこと……
そこまで思考が行き着いた途端。なぜだか酷く落胆している自分がいることに気づき、遥奈は頭を振って全力で打ち消した。