初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
強引にくちづけられたはずなのに、零とのキスは切ないほどに優しくて……。過去の恋に傷つき臆病になってしまった遥奈の心をふわりと包み込むかのような慈愛と甘さを孕んでいた。
ラストノートだろうか。温かみのあるムスクの柔らかい香りも相まって、強張っていた身体までもが解されてゆく。
遥奈の唇を何度も甘く啄みながら、逞しい腕で遥奈の身体を抱き寄せ、大きな手が宥めるように背中を優しく撫でさする。
――好きだ、愛している。
愛の言葉を告げられるよりも、零の優しさと熱い想いとが伝わってくるかのよう……
あたかも、零の織りなす甘美なキスで蕩けた意識が蜜と毒に侵されていくかのように――