初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 やがてその手が胸の膨らみへと這わされていた。

 柔らかな感触を味わうように、淫らな手つきで揉みくちゃにする。

「はぁ……あっ……ぁ、あんっ……」

(や、やだ。恥ずかしいのに……変な声が勝手に出ちゃう……!)

 キスと胸への愛撫だけで、甘やかな微電流が流されたかのような痺れがもたらされる。

 心なしか、下腹部の奥までがムズムズして落ち着かない。

 ――な、何これ? こんな感覚……知らない。

 初めて味わう刺激に、身体の深部に熱が灯されるような奇妙な感覚がじわじわと湧き起こる。

 くすぐったいような、焦れったいような、おかしな気持ちになってくる。

 ――一度味わってしまったら最後。もう二度と引き返せないかもしれない。

 零の織りなすキスと愛撫に酔い痴れながら、そんな考えが頭を掠める。

 キスの経験もあるし、それ以上の経験だってある。

 けれど、こんなふうにすべてを包み込むような慈愛に満ちたキスも愛撫も知らない。

 これ以上の行為に進んだら一体どうなってしまうんだろう……という不安だってある。

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