初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
――でも、零なら本当に治してくれるかもしれない。
いつしか不安よりも期待感が遥奈の中で増幅していた。
甘美なキスと愛撫にすっかり溺れ、気づけば互いに縺れあうようにしてベッドの波間へと身を投じていた。
ふいにキスが中断されて、零の唇が名残を惜しむかのようにゆっくりと離れてゆく。互いの唇を銀糸が繋ぎやがてプツリと途切れた。
何とも寂しくて、遥奈の胸が切ない音色を奏でた。そこに、遥奈を組み敷いた零の熱視線と甘い声音とが降り注ぐ。
「遥奈、とっても綺麗だよ。まるで天使のようだ。いや、この世に天使がいたら霞んでしまうだろうな」
確か、父親がイギリス人で母親が日本人のハーフだと言っていた零。大学進学と同時に渡英してから二ヶ月前に帰国するまで海外で暮らしていたせいか、褒め言葉が大袈裟で、恥ずかしいったらない。
しかも、いつの間にか呼び捨てになっているし。さすがはイギリス人の血を引くだけのことはある。などと感心している場合じゃない!
遥奈は羞恥に身悶えながらも抗議した。
「……っ、ヤダ。そんなに見ないでっ……」