初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
多少の痛みは覚悟していたのだが……。零が時間をかけて丁寧に準備してくれたおかげだろうか。
身体を深く貫かれ一瞬息が止まったが、痛みはさほど感じない。
触れ合ったところが熱くてどうしようもない。
おかげで、夢ではなく現実なのだと実感できた。
そこに、武者震いするかのようにぶるっと身を震わせる零から余裕のない声音が放たれた。
「……はぁ、くっ、痛みはないようだね……良かった」
「……はぁ、はぁ……はい。零……さん……は?」
「っ、く、俺も、気持ちいいよ。居心地が良すぎて、気を抜いたら……イきそうなぐらい」
零にも、気持ちよくなってもらえているようで、遥奈は心の中でホッと胸を撫で下ろす。
ようやく、願いが叶った達成感と安堵感から、遥奈は放心状態に陥っていた。
そんな遥奈の身体に零が倒れ込むようにしてのしかかってくるなり。
「とろとろに蕩けた顔して可愛いなぁ」
顔中にちゅっちゅと仔犬が甘えてじゃれつくように口づけながら甘く囁いてくる。
零が纏う甘いムスクと汗の混じった香りにふわりと包み込まれて……
くすぐったいやら恥ずかしいやらで、遥奈は堪らず身を捩る。
その動きだけで、微弱な愉悦が遥奈を苛んだ。
「……っ、……はぁ……くっ、ヤバい……。ごめん、遥奈、もう少しだけ付き合って」
遥奈に余裕なく縋るようにして抱きついてきた零がゆっくり前後に動きはじめた。
「え、ちょっと、まって、まだイッたばっかり――」
零が起こす大きな潮流に翻弄されて、火照った身体が零の熱によってとろとろに溶かされてゆく。
あたかも遥奈の身体に、自身の形を二人が愛しあった証として刻み込むかのように――
やがて限界を迎えた遥奈は零の逞しい腕に強い力で抱き込まれた。
その鼓動を素肌に感じながら遥奈は意識を手放したのだった。
何の憂いもなく幸せな心持ちで。その狭間で――
「俺だけの遥奈。もう絶対に逃がしはしないから」
零が何かを囁く声が聞こえたような、そんな気がした。