初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 その日を皮切りに、零から近況を知らせるメッセージがほぼ毎日のように送られてくるようになった。

 近況と言っても、出張でどこそこに滞在しているかなど簡潔なもので、仕事と並行して専門医試験の勉強に励む遥奈への気遣いがほとんどだ。

 仕事は多忙らしく、送られてくるのは、深夜だったり、早朝だったりと、不規則だ。

 それでも会えない時間を埋めるかのように、三日と明けず律儀に送られてくる。

 残念ながら『好きだ』といった、甘い言葉は綴られてはいないものの……

 ――これではまるで、恋人同士のやり取りではないか。

 だが、専門医を目指して勉強中の遥奈の邪魔はしたくないからと、零なりに慮ってくれているようで……

 文末には必ず、忙しいだろうから返信には及ばない旨が綴られている。

 なので遥奈からは、零の気持ちを汲んで、簡潔なメッセージかスタンプを送るに留めている。

 だからこそ、逆に、零のことが気になって仕方ないのかもしれない。

 今では、零からのメッセージを心待ちにするようになっている。

 もしかして、ただの気まぐれ?

 それとも、自分の感覚がおかしいのだろうか……

 ひょっとして、海外では、セフレともこういう密なやり取りをするものなのだろうか……

 もしくは、海外生活が長かったせいで、日本に親しい友人がいないから?

 ――いくら考えても、答えは出ないままだ。

 ――だというのに、零への想いは募るばかりで……

 遥奈はあれからずっと思い悩む日々を送っていた。

 そんな遥奈のスマホに、零から着信があったのは、それから数日後のことだ。

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