初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
六月二十日、土曜日。今日は零と会う約束になっていた。
ここ数日、曇り続きだったが、今日は珍しく爽やかな快晴となっている。
けれど、遥奈の胸の内は、相変わらず晴れないままだった。
零とは、依然として、曖昧な関係が続いているからだ。
続いているといっても、零は仕事が多忙らしく、あれ以来一度も会ってはいない。
なので、今日はセフレとしての目的を果たすために会うものだと考えていた。
当然、目的地はホテル一択。そして部屋に着くなり致すものだと――
前回は、あの体質に思い悩んでいたせいで、零からの不埒な提案と熱のこもったヘーゼルアイに押し切られてしまったけれど……
――今日は絶対に流されたりしないんだから!
午前十時に、前回送り届けてくれた時同様、零は自宅マンションの駐車スペースまで迎えに来てくれた。
運転手付きの高級車が目の前に横付けされ、後部座席から零が颯爽と現れた。
清潔感のあるグレージュのセットアップに、真っ白なコットンシャツを合わせた、カジュアルコーデがとてもよく似合っている。
スーツ姿しか見たことがなかったせいか、ひどく新鮮に見える。