初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
それを何とかごまかしたくて、つい可愛げのいない言葉を放ってみても、零の口からは絶えず甘い台詞が紡がれる。
「まさかそんな、無理矢理褒めたりするわけないだろう。俺はいつでも本気だよ」
甘やかなヘーゼルアイで見つめながら、膝上の遥奈の手を大きな手でぎゅっと包み込まれて、胸が甘くざわめいた。
走行中の車内。運転席と後部座席とが仕切られているとは言え、視線が気になって落ち着かない。
これ以上こんなことを続けられては、たまったもんじゃない。
手を振りほどきたくとも、逃がさないとばかりに指を深く絡めてくる。
「……あ、ありがとうございます。そういえば、今日はどちらへ?」
ならば話題だけでも逸らそうと、思わず行き先を尋ねてしまってから、遥奈はそのことを大いに悔やむ。
セフレなのだから、行き先などホテルに決まっているではないか。
同時に、零と初めて身体を重ねた記憶がフラッシュバックする。
ぽっと顔を紅潮させてしまった遥奈は俯くしかない。