初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
程なくして到着したのは、希少価値の高いチョコレートを使った贅沢なガトーショコラが堪能できると人気のカフェだ。
お目当てのガトーショコラは個数限定なうえに、完全予約制で、行けば必ずお目にかかれるとは限らない。
そんな有名店の季節限定スイーツを前に、遥奈の心は弾みに弾んでいた。
絶品スイーツを味わいつつ、拙いながらも言葉を選びながら感想を告げる遥奈。
「凄い。口に入れた瞬間、ふわ~っと芳醇なチョコの香りが広がって。後から追いかけてくるように、華やかなリキュールとほろ苦さと甘さが……何とも絶妙で……。す、すみません。なんて言えばいいのか……言葉で表現するのって難しいですね」
零からは、その都度、相も変わらずスイーツに負けないほどの甘やかな台詞が紡がれる。
「そんなことないよ、それだけ聞ければ充分だよ。それにしても、遥奈は、本当にスイーツが好きなんだね。遥奈の無邪気な笑顔をたくさん見られて、俺もとても嬉しいよ。連れてきた甲斐があったなぁ」
そうして必ず、零からとびきり甘い笑顔を返されて、遥奈は何度見惚れたかわからない。