初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 遥奈だけでなく、周囲の若い女性も釘付けにしていたけれど、零は慣れているのだろう。周囲の視線を気にする様子はまったくない。

 代わりに、スイーツを食べる遥奈ばかり幸せそうに見つめていたことに、スイーツに夢中な遥奈は気づいていない。

 そんな調子で、合間に軽食を軽く挟みつつ、何軒かスイーツ店を巡っては、美味しいスイーツに舌鼓を打った。

 最後に立ち寄ったのは、銀座にある老舗高級チョコレートブランドYAMATOだ。

 この春就任したばかりの副社長と面識があるらしく、事前に予約を入れていたのだという。

 街のシンボルとも言える大きな時計塔が掲げられている店内に脚を踏み入れるなり、なんと、神宮寺( じんぐうじ)副社長自ら出迎えてくれた。

 年齢も近いとあって、堅苦しい挨拶を手短に済ませた零が、振り返ってくる。

 そのまま背後で所在なく縮こまっていた遥奈の腰に手を添え紹介してくれたのだが……

「こちらが、先日お伝えしておりました、結婚を前提にお付き合いさせていただいております、柚木遥奈さんです」

(――ええッ⁉ け、けけ結婚を前提にって、ど、どういうつもりなの?)

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