初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 そうこうしているうちに、時間は過ぎ、いつしか窓の外には、燃え立つような茜色に染まった空が広がっている。

 神宮寺から、お会いできた記念にと言って、手土産を渡されて。恐縮しきりの遥奈は何度も頭を下げつつ、零と共にYAMATOの本店を後にした。

 今日は、ガトーショコラに始まり、極上のバターケーキに見た目も可愛い濃厚チーズケーキ。贅沢和栗のモンブランに繊細な細工が目を引く上品な甘さの和菓子。最後がYAMATOのショコラティエが手がけたチョコレートという、何とも贅沢すぎるスイーツ店巡りとなった。

 スイーツに目のない遥奈はお腹も満たされて、心もほくほく大満足。いつもの遥奈ならきっとそうだったに違いない。

 あいにくだが、今はそんな心境ではない。

 零に促されるまま車の後部座席に乗り込んだ途端、当然のように零に肩を引き寄せられ、手は恋人繋ぎで、離してくれる気配はない。

 この後、セフレとしての目的を果たすべくホテルに直行するのかと思ったら、さっきまで浮き上がっていた気持ちがズンと沈んでしまっている。

 そんな中、黒塗りの高級車がゆっくりと動き出す。

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