初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
遥奈はいつものように図書室で窓際の席を陣取り、参考書とノートを開いて問題を解いていた。
ふいにガラッと図書室の扉が開く音がして、しばらくすると隣の椅子がガタッと小さな音を立てる。
何気なく隣に視線をやると、誰かが机の下に身を潜めるところだった。
落とし物でも拾っているのだろうか。
などと思いながら視線を向けたままでいると、その人物がこちらに顔を向け視線がバチッと重なり合う。
その瞬間、遥奈はひゅっと息を呑んだ。
呼吸も心臓さえも止まったんじゃないかと言うほどの衝撃だった。
なぜなら、その人物が学園の貴公子である零だったから。
(な、な、な、何で目の前に、学園の貴公子がいるの? 一体全体、何が起こってるの?)
ポカンと固まったまま微動だにできない遥奈は内心パニック状態に陥っていた。
そんな遥奈とは対照的に、零は柔和な笑みを浮かべながら、謝罪の言葉を口にした。
「勉強の邪魔してごめんね」
パニック状態の遥奈は首を左右にブンブン振って応えるのが精一杯。