初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
突然の雨に打たれても
八月も過ぎ、嫌になるぐらいの厳しい暑さが続いている。
連日の暑さにはげんなりするが……
――あと一週間もすれば零に会える。
そう考えただけで、気持ちが晴れやかになる。
そのたびに、零から「会いたい」と連絡をもらった日のやり取りが脳内で再生される。
『遥奈の声が聞けて嬉しいけど、もう……声だけじゃ足りない。早く遥奈に会いたい。早く会って、遥奈に触れたくて堪らない』
初めて一線を越えて以来、零とはメッセージのやり取りだけで、電話でのやり取りはほとんどなかった。
会っても、ハグだけで、零は何もしようとしなかった。
心のどこかで、『濡れない体質』ではなかったものの、零にとって自分とのセックスがイマイチだったんじゃないかという不安があった。
けれど、零から切実な声で告げられた言葉を聞いて、そんな不安は吹き飛んだ。
『やっぱり、電話はやめてメッセージにしておけば良かったな』
続け様に、零が自嘲するように漏らした呟きからは、電話だと、余計会いたくなるから、メッセージだけに留めていたのだと、知ることもできた。
わかった途端に、喜びで胸が打ち震える。
零に想いを告げる覚悟を決めたからだろうか。
嬉しさを隠しきれない遥奈の口からも、するりと素直な言葉が零れ落ちてゆく。
「私も……。私も、早く零さんに会いたいです」