初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる
息を呑んだ零が驚きながらも熱を孕んだ艶めいた声で応えてくれる。
『……そんなこと言われたら、今すぐ飛んで行って、遥奈を抱きたくなる』
もしかしたら、遥奈の覚悟が零にも伝わっているのかもしれない。
――きっとそうだ。
零は、遥奈の心境の変化に気づいてくれている。
それでも、何も言わないのは、遥奈のペースに合わせてくれているからに違いない。
あの日、図書室で優しい言葉をかけていくれた時と同じように。
それがどうしようもなく嬉しくて。
「う、嬉しい……です」
想いは溢れるばかり。
『なら、次会った時は、朝まで離さないから覚悟して』
「……は、はい」
『……っ、遥奈、お願いだから、電話でそんなに煽らないでよ』
「そ、そんなつもりは……」
『ははっ、わかってるよ。焦った遥奈の声も可愛い。じゃあ、またね。おやすみ、遥奈』
「はい、おやすみなさい」
零とのやり取りを思い返すたびに、零への想いは募り、会いたい気持ちも膨らむばかりだ。
零と会える日を指折り数えつつ、遥奈は仕事に勉強に励んでいた。