初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる

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 ようやく迎えた華の金曜日。夕方の六時に零と会う約束をしていた。

 現在の時刻は、午後三時三十分を少し過ぎたところだ。

 通常なら、職場であるこころメンタルクリニックで午後の診察に当たっている時間だが、遥奈は帝都ホテルのラウンジにいた。

 今日は、日本心療内科学会に沢渡院長と共に参加するため、朝からこのホテルに訪れていたからだ。

 学会には、若手医師や学生の参加も多く、会場は熱意と活気に満ちていた。

 沢渡をはじめベテラン医師による講演も勉強になった。

 様々な臨床現場で診療にあたる医師のリアルな声を聞き、いくつもの気づきがあったのは、大きな収穫だ。

 幅広い世代の医師とのディスカッションも、いい刺激になった。

 美味しいと評判の会席弁当を味わいながらの懇親会も終始和やかなムードで終焉を迎えた。

 近年はハイブリッド形式が主流のため、オンラインでの参加が続いていたが、臨場感は比べものにならない。

 久々に脚を運んだ学会はとても有意義なものとなった。

 今は学会を終え、沢渡の医大の同期である、心療内科専門医の野沢と談笑しているところだ。

 野沢は出身地である九州の大学病院に勤務しており、学会のために上京したのだという。

「いや~、それにしても羨ましいなぁ。こんなに可愛らしい教え子に慕われて。うちなんか、むさ苦しいオッサンばかりで嫌になるよ」
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