初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 戸惑いを隠せない遥奈に、身を屈めた零が耳元に顔を寄せて、沢渡との関係と経緯を説明してくれた。

「遥奈の顔を一秒でも早く見たくてね。先方に我が儘を言って、打ち合わせ場所をこのホテルに変更してもらったんだよ。さっきの女性がそうなんだけど、幼馴染みだから、心配には及ばないからね」

 零とは、学会の後、帝都ホテルで落ち合う予定だったのだが……

 零は時間のロスをなくすため、仕事相手であり幼馴染だという紫帆に打ち合わせ場所を同じホテルにしてもらったのだという。

 沢渡は、母親の親友であり主治医でもあったらしい。

 幼少の頃から家族ぐるみの付き合いが続いているそうだ。

 零からの説明を受けようやく理解に至った。

 しかし、短時間に色々な情報が一気に押し寄せたおかげで、遥奈の感情は追いつかず未だグチャグチャだ。

 遥奈の様子からそれらを察したのだろう。

 零が沢渡にお伺いを立てる声が耳に届いた。

「沢渡先生、彼女が疲れているようなので、そろそろ解放してもらってもいいですか?」

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