初恋を拗らせたホテル御曹司は癒やしの女医にだけ激愛本能を滾らせる


 遥奈との出逢いは、中学三年になる春休みのことだ。

 当時、欧州や米国での競合他社との覇権争いを勝ち抜き、躍進を果たしていたインペリアル・インターナショナルはアジア圏への進出を進めていた。

 日本の首都だけでなく、主要都市にも進出し、富裕層をターゲットにした戦略が功を奏し、業績も好調だったようだ。

 心身症を患っていた母の療養も兼ねて、物心ついた頃には生活拠点を日本に移していたのもあり、ホテルでの催しに家族総出で参加することも珍しくなかった。

 その頃の零にとって、それが一番の悩みの種となっていた。

 ――要因は、日本人離れした容姿にあった。

 自身の命と引き換えに異母兄を出産した前妻も日本人だったが、その血を濃く引き継いだせいか、異母兄はそこまで目立つことはなかった。

 同じ学園に通っていたのもあり、周囲に異母兄弟という認識はされていたが、目立つのはいつも零のほうだった。

 零は、幸か不幸か、イギリス人である父の特性を引き継いだおかげで、周囲から好奇の目に触れることもしばしば……

 小学生の頃には、年齢や性別に関係なく周囲から注目され、騒がれるほどだった。

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