名もなき空に、青い風が吹く
信じてくれているのか、いないのか。淡々
と質問してくる大翔に戸惑いながらも、わた
しは答える。大翔は腕を組んで、神妙な顔を
すると椅子の背もたれに体を預けた。
「具体的に、いままでどんな未来が視えた
か教えてくれる?」
「どんな未来が視えたか?」
「そう」
一瞬、どきっとして言葉に詰まる。大翔が
命を落とす未来が視えました、なんて、いき
なり話すわけにもいかなくてわたしは慌てて
記憶を辿る。
「妹がウメコのうんちを踏んづけてお風呂
に乱入して来たこととか」
「うわ、くさそ」
「勢いよくラーメンすすって咽たお父さん
の鼻から、麺が飛び出したこととか」
「それ笑えるな」
「懸賞パズル雑誌に応募して、お母さんが
二千円ゲットしたこととか」
「二千円って、しょぼくない?」
「しょぼくないよ。二千円は大金だよ!」
ふっ、と鼻で笑った大翔にわたしはムッと
する。金額の問題じゃない。視えた未来が当
たったことが重要なのに、論点がズレたまま
二人の会話が着地する。
「大翔、真剣に聞いてないでしょ?」
「聞いてるって。視えた未来が全部当たっ
たってことだろ?すごいじゃん。で?」
椅子に背を預けていた大翔がテーブルに身
を乗り出す。二人の顔が近づいて、長い前髪
の奥の黒く澄み切った双眸がわたしを捉える。
緊張で体がこわばった。
「どんな未来が視えたの?」
「ふえっ?」
「視えたんだろ?俺の未来。この間、芦香
の手握ったもんな」
その言葉を聞いた瞬間、ひゅっ、と喉が鳴
ってしまう。話さなきゃいけないことを逆に
大翔の方から切り出されてしまって、心臓が
爆発しそうになる。でも、ビビってなんかい
られない。本当のことを伝えなきゃ何も始ま
らない。顔を覗き込んだまま言葉を待ってい
る大翔に、わたしは息を整え、覚悟を決めた。
と質問してくる大翔に戸惑いながらも、わた
しは答える。大翔は腕を組んで、神妙な顔を
すると椅子の背もたれに体を預けた。
「具体的に、いままでどんな未来が視えた
か教えてくれる?」
「どんな未来が視えたか?」
「そう」
一瞬、どきっとして言葉に詰まる。大翔が
命を落とす未来が視えました、なんて、いき
なり話すわけにもいかなくてわたしは慌てて
記憶を辿る。
「妹がウメコのうんちを踏んづけてお風呂
に乱入して来たこととか」
「うわ、くさそ」
「勢いよくラーメンすすって咽たお父さん
の鼻から、麺が飛び出したこととか」
「それ笑えるな」
「懸賞パズル雑誌に応募して、お母さんが
二千円ゲットしたこととか」
「二千円って、しょぼくない?」
「しょぼくないよ。二千円は大金だよ!」
ふっ、と鼻で笑った大翔にわたしはムッと
する。金額の問題じゃない。視えた未来が当
たったことが重要なのに、論点がズレたまま
二人の会話が着地する。
「大翔、真剣に聞いてないでしょ?」
「聞いてるって。視えた未来が全部当たっ
たってことだろ?すごいじゃん。で?」
椅子に背を預けていた大翔がテーブルに身
を乗り出す。二人の顔が近づいて、長い前髪
の奥の黒く澄み切った双眸がわたしを捉える。
緊張で体がこわばった。
「どんな未来が視えたの?」
「ふえっ?」
「視えたんだろ?俺の未来。この間、芦香
の手握ったもんな」
その言葉を聞いた瞬間、ひゅっ、と喉が鳴
ってしまう。話さなきゃいけないことを逆に
大翔の方から切り出されてしまって、心臓が
爆発しそうになる。でも、ビビってなんかい
られない。本当のことを伝えなきゃ何も始ま
らない。顔を覗き込んだまま言葉を待ってい
る大翔に、わたしは息を整え、覚悟を決めた。