機械の幽霊は麻薬畑で踊るか? ※一括転載
7
そのころ、カプリコンは麻薬畑の外れにある戦時中の鉄塔から、エネルギーの充電を受けていた。ゲリラたちが地熱発電の供給と活用のために残していたのだが、今は衛星からパワーレーザーが照射されている。単なる地熱発電だけでなく、パワーを受信や中継する装置や設備でもあったらしい。
これまで死んでいた機能が稼働したのだ。
原因はカプリコン。新しいパイロットが乗ったことで「有人機」と無人基地ネットワークから見做されて、パワー供給の優先順位が有利になったものらしかった。鉄塔から中継される充電を受け取ったことで、心許なかったパワー残量がみるみるうちに回復していく。
「ごめんねー、ごめんねー」
コックピットではパトラが、来ていた上着を脱ぎ捨て、全裸で自分が粗相して汚した座席シートを拭っていた。赤くなって「ごめんねえ」と恥ずかしげに申し訳なさそうな調子で呟きながら。
ロボットの人工知能が相手ながら、まるで人間の男相手のように恥ずかしく、真っ赤になって照れたよう笑いながら。最後の一枚を雑巾替わり、全裸で清掃するのが彼女なりの誠意だったのだろうか。
再稼働で動き出す前に、汚れた上着は外に投げ捨てた。一糸まとわないあられもない姿でシートに座り、カプリコンも歩き出す。どうしたことか、モニターの片隅にさっきまでのコックピット内部の映像が映し出され、パトラは「うわ、やだ」と耳まで赤くなった。
8
麻薬畑には炎が燃え広がり、漆黒の空を赤く照らし出していく。
ゲリラ村の「反乱」は成功しつつあった。通信によれば、近くにいた州軍閥のパトロール・チームも急行しており、到着すればゲリラ勢力の追加の増援や奪還部隊が来ても、持ちこたえられるだろう。
流れた禁断の毒煙で半ばラリった女たちは、捕虜をとらずに、ノリノリで片端から元気よく大虐殺した。これまでの恨みだけではなく、もしも近隣外部から敵の増援が来たときに呼応されると厄介だから、合理的な予防措置でもあった。少年兵たちは数人がかりでご褒美と懲らしめを兼ねて輪姦された。
敗北を悟って破れかぶれになったゲリラたちの一部は、どうせ殺されるならばと、燃える麻薬畑に走り込んで狂い死にした。踊り飛び跳ねて嬉しそうに焼け死んだり、泣き叫んで「ママ」と絶叫していたり、凄惨な死影絵となって現世から消え失せたのだ。
さながらワルプルギスの夜のようだった。
今回の立役者のカプリコンは股間の火炎放射器から、業火のように煌めく炎の立ち小便でコカ栽培の麻薬畑を焼き払って、我が物顔で闊歩していく。ついでに捕虜のゲリラどもにもぶっかけてやった。
呪われた楽園が燃えていく。
破壊したのだ。
キャノピーを開けて見晴らし、一分ほど感慨に浸る。漂う毒煙で少しラリっていたパトラは、心身のカタルシスに恍惚とエクスタシーさえ感じながら、コンソールに裸の胸と腕でしがみつき、コックピット内部のカメラに舐めるようなキスをした。
とめどなく号泣しながら狂ったような笑いが止まらなかった。
(「機械の幽霊は麻薬畑で踊るか?」完)
そのころ、カプリコンは麻薬畑の外れにある戦時中の鉄塔から、エネルギーの充電を受けていた。ゲリラたちが地熱発電の供給と活用のために残していたのだが、今は衛星からパワーレーザーが照射されている。単なる地熱発電だけでなく、パワーを受信や中継する装置や設備でもあったらしい。
これまで死んでいた機能が稼働したのだ。
原因はカプリコン。新しいパイロットが乗ったことで「有人機」と無人基地ネットワークから見做されて、パワー供給の優先順位が有利になったものらしかった。鉄塔から中継される充電を受け取ったことで、心許なかったパワー残量がみるみるうちに回復していく。
「ごめんねー、ごめんねー」
コックピットではパトラが、来ていた上着を脱ぎ捨て、全裸で自分が粗相して汚した座席シートを拭っていた。赤くなって「ごめんねえ」と恥ずかしげに申し訳なさそうな調子で呟きながら。
ロボットの人工知能が相手ながら、まるで人間の男相手のように恥ずかしく、真っ赤になって照れたよう笑いながら。最後の一枚を雑巾替わり、全裸で清掃するのが彼女なりの誠意だったのだろうか。
再稼働で動き出す前に、汚れた上着は外に投げ捨てた。一糸まとわないあられもない姿でシートに座り、カプリコンも歩き出す。どうしたことか、モニターの片隅にさっきまでのコックピット内部の映像が映し出され、パトラは「うわ、やだ」と耳まで赤くなった。
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麻薬畑には炎が燃え広がり、漆黒の空を赤く照らし出していく。
ゲリラ村の「反乱」は成功しつつあった。通信によれば、近くにいた州軍閥のパトロール・チームも急行しており、到着すればゲリラ勢力の追加の増援や奪還部隊が来ても、持ちこたえられるだろう。
流れた禁断の毒煙で半ばラリった女たちは、捕虜をとらずに、ノリノリで片端から元気よく大虐殺した。これまでの恨みだけではなく、もしも近隣外部から敵の増援が来たときに呼応されると厄介だから、合理的な予防措置でもあった。少年兵たちは数人がかりでご褒美と懲らしめを兼ねて輪姦された。
敗北を悟って破れかぶれになったゲリラたちの一部は、どうせ殺されるならばと、燃える麻薬畑に走り込んで狂い死にした。踊り飛び跳ねて嬉しそうに焼け死んだり、泣き叫んで「ママ」と絶叫していたり、凄惨な死影絵となって現世から消え失せたのだ。
さながらワルプルギスの夜のようだった。
今回の立役者のカプリコンは股間の火炎放射器から、業火のように煌めく炎の立ち小便でコカ栽培の麻薬畑を焼き払って、我が物顔で闊歩していく。ついでに捕虜のゲリラどもにもぶっかけてやった。
呪われた楽園が燃えていく。
破壊したのだ。
キャノピーを開けて見晴らし、一分ほど感慨に浸る。漂う毒煙で少しラリっていたパトラは、心身のカタルシスに恍惚とエクスタシーさえ感じながら、コンソールに裸の胸と腕でしがみつき、コックピット内部のカメラに舐めるようなキスをした。
とめどなく号泣しながら狂ったような笑いが止まらなかった。
(「機械の幽霊は麻薬畑で踊るか?」完)


