大変な物を拾ってしまいました
次の日、アイガーは、私をお姫様抱っこして飛んでは止まって、何かを探していた。
「見つけた。」
砂漠の中にそびえ立つお城の前に降り立つ。
「ここは?」
「ここは砂の魔王の城だ。」
「そんな連日、魔王ばかりと戦って大丈夫なの?ダンジョンに先に行ってからの方が…。」
「心配してるのか?お優しい魔獣師様だな。ここにいる者は元々魔王だ。心配ない。そこにいる卵ですら攻撃できる。」
「そうなの?じゃ、じゃあ行こう!」
本当はダンジョンにいる魔獣を手に入れたかったんだけど、きっとこの人達殺してしまう。
だったらここの魔王が魔獣になった時に手に入れよう。
感覚がバグってる。
負けるかも…とか思えない。
負ける気がしない。
城の中に入ると、白の物は全て砂で出来ていた。
「すごく素敵なお城…。」
「そうか?こんなの砂遊びの延長に過ぎない。こっち見ろ。」
顔を自分の方に向かせて、アイガーに唇を食べられた。
「おい!今から戦うんだぞ。イチャつくな。シャル!俺にも魔力をくれよ。」
蛙のスファンは私の胸の間に入り、モゾモゾ動き出し、胸当ての中に入れていた卵を落とそうとした。
「わぁ。ちょっと!ダメよ!割れちゃう!」
「割れないよ。コイツ胸の中にいれるからって理由で、本当は、すぐにでも孵化できるのにしないんだ。」
「1日で孵化できるの?」
「お前が悪いんだ。卵になったコイツを胸当ての中に入れたから…。俺も早く元の姿に戻りたい…。」
「えー。この蛙の姿、可愛いよ?」
「お前…。元に戻れたら覚えとけよ。」
「着いたぞ。さて、ここは砂か…。誰が行く?」
「全員一回ずつ攻撃したら終わるんじゃないか?」
「それで良いか。」
「おい。風!早く出てこい。出ないとこっそり卵を入れ替えて売り飛ばすぞ。」
「はぁ…。はいはい。」
そう言うと、卵が私の胸から出て来て、コロコロと転げて、私の手に乗ると、卵がひび割れて、雛が出て来た。
「可愛い…っ。おめでとう!」
「指で撫でるとゾーイは頭を擦り合わせて来た。」
「早く行くぞ。」
中に入ると色々と仕掛けが発動して攻撃されたが、この3人には全く意味が無かった。
そして大きなドアを開けた。
「ん?なんだ、お前…。ダンジョン終わらせて、調子乗って来た感じ?ってダンジョンの魔獣の気配がしない…。あぁ、間違って来た感じ?良いよ。今なら許してあげる。………え?何このパーティーっていうか魔獣…。魔王クラスばっかり?」
「お前には興味ない。……ここもハズレか…。早く終わらせる。」
「私、魔獣師のシャルって言います。あ、あのお名前は?」
「ん?珍しいね。討伐しに来る奴は皆、乱暴で野蛮なのに。俺の名前はワーナだよ。シャル。俺の従属にしてあげようか?」
「お前うるさいんだよ。コイツは俺の従属になるって決まってるんだ。お前ごときが厚かましいんだよ。」
「お前もうるさいんだよ。」
「あーもう早く終わらせようよ。早く温かいシャルの胸に戻りたい。」
「舐められたもんだね。じゃあ始めようか。俺からいくよ。アリ地獄…。」
地面が、砂に変わり、足元が吸い込まれている。
「お前は危ないから俺たちの後ろにいろ。俺たちの好きにやらせろ。良いな?」
「うん。」
私が頷くと3人ともニヤリと笑った。
しかも足元が無くなっていってるのに、他の3人は全く動じてない。
「ねぇ。とりあえず痛い目見せとく?」
「あぁ。」
「じゃあ。俺から。ウィンドーツイスト!」
竜巻が巻き起こり砂は全て吹き飛んだ。
近場の砂が全て無くなり下の地面の石まで見えている。
「石だって砂に変えて…っ。」
「はい。無理ー。アクアシャワー。」
水がワーナの頭上からバシャッと大量に注がれた。
「くそっ!くそっ!サンドボール!」
砂の球が私の方に飛んで来た。
目の前で砂の球が消えた。
「お前…。コイツを狙うとか…。汚い砂がかかるだろ?」
ブラックアウトの縦バージョン?
すごい!こんな事まで!
「もういい…。時間の無駄だ。もう終わりだ。」
「全員でやろっか。」
「ブラックアロウ。」
「それでやる?じゃ俺も。ウォーターアロウ!」
「ふーん。それね。ウィンドーアロウ!」
一気に3本の矢が放たれアイガーの矢は眉間に、スファンは心臓。ゾーイも心臓を撃ち抜いた。
「あがっ…っ。ぐあっ。かはっ…っ。」
パタリと倒れるとアイガーがワーナの魔力を吸ってる。
みるみるワーナが小さくなった。
「アイガー!ストップ!もう…消えちゃう…。ダメだよ。こんなに…っ。ワーナ…。私の魔獣になってくれる?」
また卵。何の卵だろう…。
私は、胸当ての中に卵を入れた。
「そこ!俺の場所。」
「でも卵だから温めてあげないと死んじゃう。」
「別に死なないけどね。」
「そうなの?」
「うん。俺は居心地が良かったから卵でいただけ。ねぇ。ひなだから寒いから俺もそこに居たい。」
私は胸当てにゾーイを入れた。
ー砂の魔王ワーナ攻略成功ー
魔獣師シャル経験値3000↑
魔獣アイガー1500↑
魔獣スファン1600↑
魔獣ゾーイ1500↑
シャルパーティー全員砂魔術獲得
報酬 砂の宝石獲得
「ほら。魔力補充。」
アイガーに服を剥ぎ取られキスをされる。
「さっき…っ、ワーナの魔力吸ってた…っ。」
「あんな糞不味い魔力で満足できるか。」
そう言うと、身体中、舐められて何度もアイガーと繋がった。
その間にも、スファンもゾーイも私の身体の上でクチバシで突いたり、舌で舐めたりしている。
そして私は気を失った。
目が覚めると、アイガーがクロネコになっていて、私の下で丸くなっている。
「アイガーありがとう。私が痛くないようにしてくれて…。」
私が頭を撫でるとアイガーはプイッと顔を背けた。
久しぶりの猫のアイガーだ。
私は抱きつきアイガーの胸に顔を埋める。
この毛並み気持ちいい…っ。
するとみるみる男性の姿に戻ってしまった。
「朝から大胆だな。昨日のでは足りなかったのか?」
「ち、違うよ!猫のアイガーが久しぶりだったからつい…。」
「俺はこれをやられると興奮してた…。でも…。今日は移動する。」
「移動?」
「あぁ。この辺にいる魔王討伐は終わった。次のエリアに行く。」
「次のエリア。行く!たくさん魔獣に会いたい!っていうか…私、魔獣…魔王しかいない…。」
「何が不満だ。」
「だって、皆、元々、人の形してるし…。最初から強いし。魔獣師としては、育てて強くするみたいな事もしないと修行にならないよ。」
「だったら早く孕むか?赤子から育てて強くする。まさにそれだな。」
「それ、違う!ん?違わない?いや、違う!」
すると胸元でカサカサと動く気配。
ん?ゾーイ?
すると胸元から小さな蠍が出て来た。
「うわっ!蠍!ってもしかして、ワーナ?」
「あぁ。あの鳥にずっと突かれて起こされた。気持ち良かったのに…。俺は小さいから、ここにいるからな。」
そう言うと胸元に戻って行った。
肩に乗ったゾーイが私の頬に擦り寄って来た。
「俺の場所取られた…。あそこめちゃくちゃ気持ちいいのに…。」
「ゾーイは肩にいて欲しいな。こうやって顔をスリスリ出来るし。」
「し、仕方ねぇなぁ。」
「そういえば、ゾーイは何の鳥なの?大きめだよね?」
「多分鷲だな。人の形してないんだったら何でも良い。」
「そ、そういうもの?」
「ああ。さてと準備はもう良いのか?」
「私は大丈夫。」
「じゃあ行くぞ。シャルこっちへ来い。」
アイガーは私をお姫様抱っこをして飛び立った。