笑顔の仮面は君の前だけ壊れる
消えた社員証
第23章 消えた社員証
部屋には重苦しい沈黙が流れていた。
誰も言葉を発しない。
動画に映っていた社員証。
それだけが頭の中を何度もよぎる。
「止めてくれ。」
朝比奈さんが低い声で言った。
映像を一時停止すると、ドアの前に立つ人物の右胸に、小さな社員証が見える。
神崎主任が画面を拡大した。
「……画質が粗すぎる。」
名前は読めない。
顔も映っていない。
それでも一つだけ分かることがあった。
社員証のストラップは、現在のデザインではない。
「これは五年前に使われていた社員証だ。」
神崎主任が静かに言う。
「今は全員、新しいものに交換されている。」
朝比奈さんは腕を組み、小さくうなずいた。
「つまり、この人物は事件当時から会社にいた人間。」
その言葉に、私は息をのんだ。
事件は終わっていない。
今も、その人は会社で働いているかもしれない。
その時だった。
コンコン。
静かなノックが部屋に響く。
三人は顔を見合わせる。
「誰……?」
返事はない。
もう一度、コンコン、と扉が叩かれる。
神崎主任がゆっくりドアへ近づき、勢いよく開けた。
廊下には誰もいない。
しかし、足元には一枚の封筒が落ちていた。
差出人はない。
中には古びた社員証が一枚だけ入っている。
写真の部分はカッターで切り取られ、名前も黒く塗りつぶされていた。
裏返すと、赤いペンで一文だけ書かれている。
『あと一歩で、真実に届く。』
その瞬間、ホテルの廊下の奥で、エレベーターが静かに開く音がした。
三人が振り向く。
黒いコートを着た人物が、こちらを一瞬だけ見つめる。
目が合った。
次の瞬間、その人物は走り出した。
「待て!」
朝比奈さんが廊下を駆け出す。
神崎主任も後を追う。
私はその場に残された社員証を強く握りしめた。
その裏には、さっきまでなかった文字が浮かび上がっていた。
『次は、あなたの番。』
部屋には重苦しい沈黙が流れていた。
誰も言葉を発しない。
動画に映っていた社員証。
それだけが頭の中を何度もよぎる。
「止めてくれ。」
朝比奈さんが低い声で言った。
映像を一時停止すると、ドアの前に立つ人物の右胸に、小さな社員証が見える。
神崎主任が画面を拡大した。
「……画質が粗すぎる。」
名前は読めない。
顔も映っていない。
それでも一つだけ分かることがあった。
社員証のストラップは、現在のデザインではない。
「これは五年前に使われていた社員証だ。」
神崎主任が静かに言う。
「今は全員、新しいものに交換されている。」
朝比奈さんは腕を組み、小さくうなずいた。
「つまり、この人物は事件当時から会社にいた人間。」
その言葉に、私は息をのんだ。
事件は終わっていない。
今も、その人は会社で働いているかもしれない。
その時だった。
コンコン。
静かなノックが部屋に響く。
三人は顔を見合わせる。
「誰……?」
返事はない。
もう一度、コンコン、と扉が叩かれる。
神崎主任がゆっくりドアへ近づき、勢いよく開けた。
廊下には誰もいない。
しかし、足元には一枚の封筒が落ちていた。
差出人はない。
中には古びた社員証が一枚だけ入っている。
写真の部分はカッターで切り取られ、名前も黒く塗りつぶされていた。
裏返すと、赤いペンで一文だけ書かれている。
『あと一歩で、真実に届く。』
その瞬間、ホテルの廊下の奥で、エレベーターが静かに開く音がした。
三人が振り向く。
黒いコートを着た人物が、こちらを一瞬だけ見つめる。
目が合った。
次の瞬間、その人物は走り出した。
「待て!」
朝比奈さんが廊下を駆け出す。
神崎主任も後を追う。
私はその場に残された社員証を強く握りしめた。
その裏には、さっきまでなかった文字が浮かび上がっていた。
『次は、あなたの番。』