PRIMUS ―推しの家に家事代行として通ったら、毎日が幸せすぎます!―
思わず息をのむ。
それは、私が想像していたお願いとはまったく違っていた。
私がここにいることが知られたら――。
ひなたくんだけじゃない。
PRIMUS全員に、新たなスクープがついて回る。
もしかしたら今も、この家の周りにはマスコミが張り込んでいるのかもしれない。
そう考えた瞬間、背筋がひやりとした。
「……こはるちゃんまで巻き込んで、本当にごめん」
ひなたくんは力なく笑う。
その笑顔は、いつもの太陽みたいな笑顔じゃなかった。
きっと、相当参っているんだ。
せめて私に対する罪悪感だけでも、少し軽くしてあげられたら。
「私は大丈夫です!」
ゆっくりと息を吐き、もう一度ひなたくんを真っ直ぐ見つめる。
今の私にできるのは、言葉を届けることだけ。それでも、少しでもひなたくんの心が軽くなればいい。
「私は、ここが大好きだから。」
「少しでも長く、ここにいたいんです。」
「だから、悪いなんて思わないでください!」
精一杯の気持ちを込めて、私はそう伝えた。
「……ありがとう」
ひなたくんは、小さな声でそう呟いた。
< 356 / 384 >

この作品をシェア

pagetop