PRIMUS ―推しの家に家事代行として通ったら、毎日が幸せすぎます!―
画面は薄暗い。
数秒の沈黙。
そして、女の子二人がはしゃぐ声が流れ始めた。
「PRIMUSのひなたじゃない?」
「まじだ!」
「めちゃかっこいい!」
画面にはひなたくんと、ドラマで共演した女優さんが階段を降りていた。
「もっと近付こう!」
カメラが、ひなたくんにどんどん近付いて行く。
ひなたくんと女優さんの声が微かに聞こえた。
「打ち上げ楽しみですね」
「そうだね」
「あっ!!」
女優さんがぐらりと揺れた。
ひなたくんが慌てて支える。
二人はぱっと離れた。
ひなたくんは頭を下げる。
「なんかすいません」
「いえ、助かりました」
明らかによそよそしい、二人の会話。
動画は止まり、次の動画が流れる。
「この動画、もう拡散されている」
湊くんはスマホを手に取り、画面を操作した。
「グループラインにURL送っといたから、少しでも目に付くようにしよう」
< 382 / 384 >

この作品をシェア

pagetop