手を、つないで 〜ふたりの未来〜


 土曜日、昼過ぎに待ち合わせた。
 アクセサリーショップの店の場所は調べた。アクセサリーが駄目だった時の雑貨の店は、前に猫のアームウォーマーを買った店。あそこなら、何か彼女が気に入るものが見つかるだろう。
 食事の準備は昨日した。全部作るのは無理なので、買ってきた惣菜に手を加えたり、冷凍食品だったりする。ワインは、彼女が好きな赤のフルボディを用意した。ケーキは、帰りに受け取る予定になっている。
 他に何かすることはないだろうか。多分大丈夫なはずだ。

 出かける前に、部屋を見る。
 掃除はした。彼女と一緒に選んだテーブルが真ん中にある。色は黒。木製の楕円形。
『色は黒じゃないと、あの部屋だと浮いちゃいますよね。四角だとかたーい感じになっちゃうから、丸っこいのがいいと思います。あっこれどうですか?』
 ホームセンターの家具コーナーではしゃいでいた彼女を思い出す。
 その後、丸い座布団みたいな黒いクッションを選んだ。部屋に置いたら、馴染んだ。居心地が良くなったと思う。
 クッションに座ってくつろいでいる彼女が目に浮かんだ。ずっとここにいてほしいと思っていることは、まだ言えてない。彼女も俺も、その準備ができてから、と思っている。



 彼女の家の最寄り駅のホーム。車両、1番前。
 電車の中から彼女が見えた。俺を見付けて、乗ってくる。そして、笑顔。
「今日、いい天気ですね」
 陽射しに負けないくらい、笑顔が眩しい。
 この笑顔のままでいられる一日にしたい。そう思った。



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