手を、つないで 〜ふたりの未来〜
7.茉歩


 指輪の、手の違和感には一日で慣れた。
 それと一緒に、周りの人達の視線も落ち着いた。早苗ちゃんの言う通りだった。
 次の日には通常通り。何事もないかのよう。外さなくて良かった。
 時々会社の中で出くわす彼が、ネックレスと指輪を見て微笑んでいるのに気付いた。やっぱりつけてて正解だった。そうだよね、私が彼の立場だったら、プレゼントをつけてくれてるのを見たら嬉しいし、つけてなかったら淋しくなる。
 なるべくつけておこうと思うのは、それだけじゃない。つけていたい。私が。彼がくれたプレゼントだから。猫の手首ウォーマーと同じ。パワーをもらえる気がする。

 彼が、私の中でどんどん大きな存在になる。かけがえのない、なくてはならない人に。
 それは、満たされることであり、同時に怖いことでもあった。
 どうしてか、考えてしまう。もし、彼がいなくなってしまったら。
 初めての感情に、どうしたらいいかわからなくなる。素直に幸せに浸っていればいいのに、どうしてこうネガティブなことを考えてしまうのか。
 考えれば考えるほど、沼に落ちていく。
 こんな感情を、自分でも持て余していた。



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