その食べ方が好きなんです
同期の留美は私が席をあっちこっち品定めするのを知っていて、私が席を取ったころにゆっくりと社食へやってくる。
「これはね、角度が大切なの。それに、さすがに正面に座っていつも見てるのがばれたらおかしな奴だって思われる」
「今だって、夏奈は十分おかしい。毎日社食で課長を探し、彼の食べるところを隠れて盗み見てる。課長が好きなのかと思いきや、叱られてばかりで本人は苦手だと言うんだからあきれるしかない」
「ちょっと留美。大きな声で話さないで」
留美はため息をついた。そして、残っていたA定食のデザートプリンを手にした。
ああ、だからそうやってプリンを小さなスプーンへ山盛りにしないで、と私が言うより早く、彼女の口がパカッと大きく開いた。
目を見開いて、大口開けて食べてる。留美は可愛いのに、もったいない。
何度も少しづつ食べたほうが可愛く見えると言ってるのにどうして聞いてくれないんだろう。
ほら、課長を見てほしい。プリンもスプーンに対して適正量をきちっと載せている。だからいつだって彼の食べる姿は美しい。
見習ってほしい。彼の美しさは食事をしていても少しも損なわれない。それどころか普段よりも食べているときのほうが素敵に見える。
スプーンが口に入るときの感じ。無駄のない美しい動き。ほら、頬が動いても変じゃない。
うっとりと見とれていたら、なぜか急に課長がこちらを見た。私は急いで目を下に向けて、自分の皿の上にまだたくさんある生姜焼きをじっと見つめた。
こういうときは頭の中で10数える。大抵、そのくらいで目線はそれる。
「留美。課長、もうこっちを見てない?」
「えっと……」
「ねえ、留美」
「……紺野」
「これはね、角度が大切なの。それに、さすがに正面に座っていつも見てるのがばれたらおかしな奴だって思われる」
「今だって、夏奈は十分おかしい。毎日社食で課長を探し、彼の食べるところを隠れて盗み見てる。課長が好きなのかと思いきや、叱られてばかりで本人は苦手だと言うんだからあきれるしかない」
「ちょっと留美。大きな声で話さないで」
留美はため息をついた。そして、残っていたA定食のデザートプリンを手にした。
ああ、だからそうやってプリンを小さなスプーンへ山盛りにしないで、と私が言うより早く、彼女の口がパカッと大きく開いた。
目を見開いて、大口開けて食べてる。留美は可愛いのに、もったいない。
何度も少しづつ食べたほうが可愛く見えると言ってるのにどうして聞いてくれないんだろう。
ほら、課長を見てほしい。プリンもスプーンに対して適正量をきちっと載せている。だからいつだって彼の食べる姿は美しい。
見習ってほしい。彼の美しさは食事をしていても少しも損なわれない。それどころか普段よりも食べているときのほうが素敵に見える。
スプーンが口に入るときの感じ。無駄のない美しい動き。ほら、頬が動いても変じゃない。
うっとりと見とれていたら、なぜか急に課長がこちらを見た。私は急いで目を下に向けて、自分の皿の上にまだたくさんある生姜焼きをじっと見つめた。
こういうときは頭の中で10数える。大抵、そのくらいで目線はそれる。
「留美。課長、もうこっちを見てない?」
「えっと……」
「ねえ、留美」
「……紺野」